2015、4、16
あんなに時間をかけ、資料も用意し、原稿を書いたことに意味があったのだろうか。半ば後悔する気持ちが頭をもたげてくる。
会場で目立った反応はなく、空中に矢を射こんだようなものである。仮名を使ったとはいえ、秘密が露見し、むしろ村の人たちに危険が及ばないだろうか。ただそのことだけが、抜き損ねた矢じりのように心に刺さっていた。
だが、私は間違っていた。
去年の10月、ハリケーン被害で崩れた崖が補修された。
橋を支えている基盤にあたる。
まず土台をしっかりしないと、橋の補修がうまく行かない。
91万円かかった修復代は、小谷Drが出してくれた。