NGOカトマンドゥ日記

ポストの死

2014、11、15

ロクは、私より前に着いていた。
たった一本の松だが、直射日光を遮って、暑さを感じさせない。
近づくにつれ、ロクの顔が蒼ざめているのに気付いた。
ロクは、もう少し木に近づくようにと私を誘った。
「半年前から、妙な噂を耳にしたのです」
私は、ロクがいったい何を言い出すのか、怖くなった。
「実は、ポストの娘サニタ(仮名)が生きているというのです」
周りから、音や色が消えた。
「どうしてそんなことがあり得ます?軍が遺体を確認したのですよね」
バンダリが調べてきた事実と違うことがあり得ようか。
「私も最初は信じませんでした。でも、あの人から、娘は無事だと言ってきたのです」
あの人とは、ポストに違いなかった。
マネ村とタンダパニ村の境に、この一本松がある。
谷から、風が吹き上げて来た。
「では、死んだのは誰なのです」
私は思わず口走った。
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このホテルに居れば、たとえ戦闘が激化しても、歩いてでも空港までは行ける。人間の争いをよそに、ブーゲンビレアがいつでも咲いていた。
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by ngokathmandu | 2014-11-15 22:55 | ネパール植林地
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