2011,9,17
ベトラワティの森に来るたびに、偉大だったチャンドラさんの功績が偲ばれる。
チャンドラさんは、小さなときから大きな地主の下で働き続けた。
青年になるまで働き、ようやく開放された。
報酬はわずかな土地だった。
そこに家を建て、テクが生まれた。
テクは後にドゥルガの姉シタと結婚する。
長男インドラ、長女インチュー、次女マヤチャンなどが次々に生まれた。
シタは、暗いランプの下でマヤチャンに乳をやりながら、貧しい生活を私にこぼした。
インチューは信州大学に入り、卒業した大学院生と結婚する。
大学院生は、今や、霞ヶ関の課長だ。
私が上京すると、インチューがカードで昼食をおごってくれた。
そんなめぐり合わせになるとは、思ってもいなかった。
チャンドラさんが生涯を掛けたこの森には、ときどきトラが出没する。
ただ道が余りに急で、間伐した木の運び出しに苦労する。
そこで林道を作った。
林道は鬱蒼とした森を通り抜けて行く。